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MUSIC MEDICINE PROJECT

MUSIC MEDICINE PROJECTとは

楽しい時も つらい時も いつもかたわらにある…
歌 そして 音楽ほど
人の思い出や記憶に寄り添うものはありません

コロナ禍を経た このストレスフルな社会において
歌や音楽が 人を前へと進ませる原動力となることを
MUSIC MEDICINE PROJECT は科学的な手法で実証します

研究開発実例

名前

歌唱と⾳楽によるメンタルヘルス改善効果の検討や
IT を活⽤した診断・治療システムの確⽴とアプリの開発

ストレス社会における歌唱と⾳楽の効果を検証し、その成果を導⼊した人工知能AIベースのシステム端末を開発。
ストレスへの対処法の普及を目的とした開発プロジェクトが進行しています。

社会的背景
現状

ストレスが原因となる疾患の患者数は増加傾向にありますが、その適切な対処法は、いまだ確⽴されていません。

メンタルヘルスの市場規模も拡⼤傾向にある中、ストレスの早期発見を目的としたセルフチェック、セルフケアシステムの確立が期待されています。

  1. ストレスへの対処法は確⽴されていない!

    厚⽣労働省は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防⽌(⼀次予防)を主な⽬的として、2015年12⽉から「常時 50 ⼈以上の労働者を雇⽤する事業所において、ストレスチェック制度を実施すること」を義務化しています。
    しかしながら、ストレスに対する適切な対処法は未だ確⽴されていないのが現状です。

    質問
  2. メンタルヘルスの不調は精神⾯のみならず⾝体への影響も⼤きい

    ストレスによる交感神経の緊張は、⼼拍数を増加させ⾎管が収縮することから、⾎流障害による低体温や免疫⼒の低下を引き起こします。
    その結果、さらなるストレスから肩こりや頭痛、アレルギー、糖尿病、動脈硬化や⼼疾患など、ストレス性疾患を誘発することが明らかとなっています。

    図
  3. 現在、ストレスによる患者数は増加傾向に

    日本は、社会的なメンタルヘルス不調が先進国の中でもトップレベルにあることから、政府は2007 年に「対処法に対する閣議決定」を⾏いました。
    しかし、その対処法は抗不安薬や抗うつ薬を⽤いる薬物療法が主体となっており、その副作⽤が社会問題になっています。
    さらに、昨今のコロナ禍で、精神的・⾝体的・経済的なストレスが増⼤し、新たなストレス対策が喫緊の課題となっています。

  4. ストレス診断システム開発が求められている

    ストレス度の⾼い⼈が、⾃ら精神科や⼼療内科を受診することは多くありません。
    そのため、ストレスの早期発⾒を目的とした、セルフチェック・セルフケアのシステムの確立が大変重要であり、その開発が期待されています。

ストレス改善ツールとしての
歌唱(カラオケ)や⾳楽の力に着目

MUSIC MEDICINE PROJECT
始動

PROJECT GOALS

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  • セルフチェックシステムによりストレス状態をスクリーニング、
    個々の特性に合った歌唱(カラオケ)や⾳楽を処方して改善効果を検討します。
  • ITを活⽤することでユーザーの属性から情報を集積し、
    それを機械学習させる情報プラットホームの構築を目指します。

研究基盤となる
実績

歌唱と音楽に関する、これまでの共同研究の成果や研究手法を、MUSIC MEDICINE PROJECTの新たなストレス改善システムの開発に投影し、さらなるステージへと発展させていきます。

「高齢者を対象とした歌唱の心身に与える有用性」についての共同研究

  • これまでにも、株式会社第一興商/一般社団法人日本音楽健康協会と共に、ストレスや身体機能に対する歌唱や音楽の有効性についての共同研究を、長年行ってきました。

    2014年には、歌唱が口腔環境の改善に寄与し、ストレスや免疫力の向上に対しても効果的であることを示した研究成果「高齢者を対象とした歌唱の心身に与える有用性」を、国際誌BioPsychoSocial Medicineに発表してきました。Possible benefits of singing to the mental and physical condition of the elderlySakano et al. Biopsychosoc Med. 2014.

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  • DK ELDER SYSTEM

    共同研究の成果として生み出された、第一興商の「生活総合機能改善機器 DK ELDER SYSTEM(DKエルダーシステム)」は、既に多くの高齢者施設などの介護の現場に導入され、高齢者の健康維持に大きく貢献しています。

    DK ELDER SYSTEMの開発段階では、歌唱の体と心への影響について「唾液量」「唾液中ストレスホルモン」「VAS/POMSアンケート」にて検証を行っています。
    歌唱により唾液分泌量が増加し、口腔環境の改善が見込まれるだけでなく、歌唱後のストレスマーカーの減少や、気分・感情状態が改善したという検証結果により、歌唱がストレス軽減にも寄与していることが実証されました。「DKエルダーシステム」を活用したカラオケと唾液量・成分測定の研究
    科学的に検証された歌うことの効果(PDF)

  • 製品化された DK ELDER SYSTEMには、研究に基づいたコンテンツと機能が充実しており、「唾液の重要性に注目した、歌って口を動かすアンチエイジングコンテンツ」は監修も担当しています。うたってアンチエイジング 健口クリニック

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こんなにすごい!うたと音楽の健康効果

百貨店従業員10万⼈を対象にしたストレス診断やその対処法のプロジェクト

2013年、百貨店従業員10万⼈を対象にしたストレス診断やその対処法のプロジェクトを実施し、研究成果を書籍化しました。斎藤一郎著『幸せを引き寄せる笑顔の法則 三越伊勢丹グループの従業員10万⼈を動かした“理論”と“効能”とは?』株式会社誠⽂堂新光社 発行

この研究プロジェクトで得られた研究成果や⼿法が評価され、多くの企業からの講演依頼や、メディアからの問い合わせがあり、歌唱(カラオケ)の効果についての番組をNHKと企画し、「ガッテン!(2018年NHK総合)」「美と若さの新常識 カラダのヒミツ(2020 年NHK BS プレミアム)」「チコちゃんに叱られる!(2020年NHK総合)」等で放映されました。

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⾆画像の撮影・解析研究によるMUSIC MEDICINE PROJECTへの応用

千葉⼤学医学部・⼯学部と共に、舌画像撮影システム TIAS(Tongue Image Analyzing System)を使用した、⾆画像の撮影・解析を行った研究実績があります。

現在は、⾆表⾯の画像を、⼈⼯知能(AI)で分析、機械学習(machine learning)させることにより、難病であるシェーグレン症候群患者を対象とした、⾆画像による診断システムを確⽴させる開発プロジェクトを⼿掛けており、この開発経験をMUSIC MEDICINE PROJECTにも応⽤していきます。タカノ株式会社 舌画像撮影システム TIAS(Tongue Image Analyzing System)

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システム開発
計画

AIによりカスタマイズした、セルフチェック、セルフケアシステムを導入することにより、ストレスの早期発見・早期改善を図ります。

また、歌唱や音楽の医学的有効性を確立し、ストレス社会の医療体制の確立に貢献します。

  1. AIの機械学習を利用したストレス測定システムの確立

    ⼼拍数や⾳声、顔(表情)や⾆(⾊、状態)の画像診断はストレスの評価に有効と考えられています。
    これらの情報と、対象者個⼈の属性をAIに機械学習させることで、ストレス時に特有の現象を明らかにし、それを⽤いたストレス測定のシステムを確⽴します。

  2. ストレス判定機能によるセルフチェック

    スマートフォンに内蔵されているカメラや店舗のマイクを使って、個々のデータを取得し、ストレス判定(セルフチェック)することで、ストレスの早期発見を可能にします。

  3. 個人にカスタマイズされたセルフケア

    アンケート調査や、利⽤者のプロフィール(属性)による趣味趣向を機械学習させることで、各個人に最適化された効果的な歌唱(カラオケ)や⾳楽を提案しセルフケアを促します。

  4. ストレスの早期発見・早期改善が可能に

    セルフチェック・セルフケアのシステム端末を、広く店舗や企業に導入したり、個人向けアプリを活用することにより、ストレスに対するアプローチをより身近なものとし、早期発見・早期改善を図ります。

    ストレスの早期発⾒が普及できれば、ハイリスクな人々への適切な対応が可能になります。
    広い視野で見ると、現代の日本が抱える「ストレス社会」の改善に⼤きく貢献することとなり、緊急事態に直⾯している医療機関の負担削減にも繋がります。

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MUSIC MEDICINE PROJECT
最終目標

ストレスの早期発見やストレス改善に有効なシステムの確⽴を目指し、
超高齢社会の課題である、認知症の診断や対策への応用に導きます

PROJECT OUTLOOK

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  • 身近なあまり、意識されることのなかった歌唱(カラオケ)や⾳楽の医学的な有効性を検証します。
  • 歌唱(カラオケ)や⾳楽が、ストレス改善のための「安全で効果的な特効薬」として、広く社会に認知されることを目標に、開発計画を進めていきます。

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